第4章 僕は、便利屋。②
「ん?」
和「だから、相葉雅紀!」
ん?何?…相葉雅紀?…あ、あれか?
「相葉さんって…あの、婚約者のふりを依頼してきた?あれって、母親への言い訳じゃなかったか?」
和「そうだよ。でも、なんか、付き合うことになっちゃった。…やっぱ、依頼人とは、ダメ?」
ニノが、顔を赤らめながら、俯く。
「いや、ま、その。…いいんじゃないか?お互いが良ければ。…一つ、聞くけど…。お前、そっち?だったのか?」
ニノが、バッと顔をあげて、俺の肩を掴む。
和「違っ、違うよ!…俺、初めて男、好きになったんだよ?相葉さん、だけ。そういう気持ち、変?」
ニノが、こんなに、感情を出すの、初めて見たかも?それだけ、好きってことか…。なんか、相葉さんが、羨ましいぜ!
「そういうことも、ま、生きてれば、あるんじゃねえか?…もうひとつ、聞いていいか?」
ニノが、笑顔で頷く。
「お前が、女役?」
和「なっ!バッ、バカかよ?!まだ、付き合って3週間だぞ?!キスしかしてねえよ‼」
「すまん、すまん。…確か、相葉さんってデカイ図体してたよな?って思ったからよ。……でもよ、3週間で、キスだけかよ?案外、純情なんだな?俺だったら、すぐヤッちまうけどなー」
全身で、怒りを露にするニノ。…こっちの方が良いじゃん。
「ニノ。…ヤったら、感想聞かせろよ?」
視界が霞むくらいの、ビンタが右頬にとんできた。今後、……こいつをからかうのは、止めておこう。