第13章 I'll be there
翔さんはゆっくりと上体を起こし、漸くパジャマとボクサーパンツを受け取るも、着ようとしない。
俺としては目の毒だから、早く着てもらいたいんだけど…。
翔「俺…変態なんだ」
「は?」
翔「俺…変なんだよ。今まで女性でしか勃たなかったのに…」
そう言って、俺を見据えてきた。
翔「男性の…フェラ…されてるところをたまたま見てから…その人のこと思い浮かべながらじゃないと…勃たないんだ…」
ふにゃりと泣きそうな顔になる。
翔さんが…男を…って、もしかして、それって…
「その男って…ひょっとして、二宮さん?」
翔さんが、コクりと頷いた。
「二宮さんのことが好きなの?」
翔「わからない…」
ボソッと呟いて俯いた。
翔さんの正面に膝立ちになり、翔さんの膝に置かれた手の上にそっと手を重ねた。
「二宮さんがフェラされてるとこ…いつ見たの?どこで見たの?」
今聞くことじゃない。
それはわかってるんだけど、どうにも聞かずにはいられない。
翔「……10日くらい前に…店で…スタイリングチェアで…向井さんと…」
翔さんは、ぽつりぽつりとだけど、ちゃんと応えてくれた。
誰と?までは聞いてないけどね…。
~ってか、向井さんって…!
大野さんの常連客じゃね?
…そう言えば、この間来店されたときは二宮さんが接客してた…。
あの人…まさか、そうやって客を取ってんのか?
腕はいいのに、何でだ…?