第10章 さよなら ぼくのともだち
「それで?」
翔「あ、だから、そのまま風呂場でシて…。2人とものぼせちゃって…ベッドで暫く休んでたんだけど、雅紀がまた、シタいって言い出して…」
「それで?2人とも初めてなのに5回戦までヤってしまったと。だから、今日は使い物になりません。休ませてくださいって…そう言いたいの?」
翔くんが小声で「そこまでは言ってないけど…」って、どんどん縮こまってきた。
「まあ、仕方ないか…。まーは感情のままに突っ走りそうだもんな?」
翔くんが顔を真っ赤にしながら笑う。
良かった。
翔くん、幸せそうだ。
「今日は特別に俺が代わってやるよ」
翔「ありがとう、潤~」
「ただし!今回だけだからな?」
翔「わかってるって。ほんとにありがとうな?」
俺はスタッフにクリフクライムをまーの代わりに出ることを伝えた。
理由も聞かれず、あっさりとOKを貰えた。
収録中、翔くんはずっとまーの横を確保していた。
時折、腰を擦ってあげたりしてさ。
目の前でそんなに見せつけんなよな…。
でも、これで翔くんを諦められる…。
明日からまたいつもの俺に戻るからさ。
だから、今日は…。
「翔くん」
翔「ん?なに?」
チュッ
雅「!!!」
「ごち♪」
唇を押さえて呆然と立ち尽くす翔くん。
翔くんを抱き締めながら俺に文句を言ってるまー。
大宮の2人は、ニヤニヤしながら俺たちを見ている。
「お幸せに~!」
みんなに手を振りながら楽屋を出た。
俺だって頑張ったんだ。
これくらいのご褒美は頂いても良いよな?