第8章 若葉のころを過ぎても
【S】
昨日から頭がこんがらがることだらけだ。
雅紀に誘われて高校の同窓会に出席した。
5年ぶりかぁ。
皆には会いたい。
でも、幹事がな…。
~なんて、躊躇してたら。
雅紀が「幹事は忙しいから会わないよ。大丈夫!」って、なんの根拠もなしに言ってくるのを信じすぎた…。
まさか、次の日にこんな状況に置かれるなんて。
こんなことになるんだったら、出なきゃ良かった。
冗談って言ったのに、大野くんがほんとにキスしてきた。
あのホテルで大野くんとあんなことしてからは、誰ともカンケイをもってない。
だから、今だにDTなんだ俺…。
一応ね、女の子と付き合ったよ?
でもさ。キスから先に進みたくても、身体が動かなくなるんだ…。
それが原因か?
振られてばかりの俺…。
大野くんがとにかく話を聞いてほしいって言うから。
床に正座して向かい合ってる俺たち。
智「お前のこと好きだ。好きだ。好きだ。好…」
「ああ、もう、わかったから!大野くんの気持ちはよ~くわかったから!でも…俺は…」
あ~もう~っ!
そんな期待に満ちた目で見ないでよ~っ!
「俺は、大野くんのことは好きだ…けど…。種類が違うっていうか、えっと…その…だから、その…」
智「本当に?!俺のこと、好きなんか⁉じゃあさ、付き合おう‼」
え?どうして?
聞いてた?俺の話?!
「ぅ、ええぇっ?!なっ、どっ、ええっ?!」
智「“ええ”んか!よし、今日からよろしくなっ!」
って、ウインクされて。
何だか、あれよあれよと言う間に、付き合うことになった…。
どうして、こうなったの~?
誰か~、教えて下さい~っ‼