第8章 若葉のころを過ぎても
【O】
「じゃあ、問題ないね?」
翔「……え?な、に?」
翔の黒目がユラユラと揺れた。
獲物を捕らえた猛獣のように興奮する。
手首のベルトを外してやった。
「赤くなったね?」
ベルトの痕を丁寧に舐めていく。
翔「やっ⁉…な、なに、するの?」
翔が慌てて腕を引っ込めようとするから、右手をグイッと引っ張って、体を起こした。
「何って…。わかりきったこと、聞くなよ?」
翔「…へ?」
翔の首に腕を回して引き寄せて
「この状況でスルことって言ったら、あれしかねえだろう?」
翔「あ、あ、あ、あれ…って、な、な、なに?」
明らかに動揺している。
ちょっと揶揄いたくなった。
翔の唇をペロリと舐めた。
みるみる顔が赤くなっていく。
おもしれえなあ~。
瞼、頬、唇、と順にわざとチュッと音をさせながら、口付けていく。
固まってるよ、はは。
それに、なんだよ?そのマヌケ面。
額同士をくっつけながら
「わかったか?」
翔「………ひゃい」
ひゃいって、なんだよ?
可愛いじゃねえか⁉
不意に剥き出しのままの下半身に目がいった。
左手でギュッと翔のモノを握った。
また、「ひゃいっ」と言って身体が跳ねた。