第8章 オオカミ王子 ♥︎ 〜月島蛍〜
見下ろすと僕と同じように、きょとんと僕を見上げる心と目が合った。
途端に、どんどん顔が赤くなるのが分かる。
『えっ…蛍くん、いま…なんて…』
僕よりも顔を赤くして戸惑う姿に、胸の奥が痛くなる。
「…いくら、心でも…そこまで馬鹿じゃ、ないでしょ?」
2度目を言うのは恥ずかしくて、つい、とそっぽを向いた。
『ちゃんと、言ってくれなきゃ…わかんない、よ…?』
なのに、心は僕と目を合わせようと、中腰で涙目になりながら僕の顔をのぞき込んでくる。
その表情に、たまらなくなって。
僕はそのまま、心をベッドへと無理やり押し倒した。