第5章 Sugar honey* ♥︎ 〜月島蛍〜
夢を見た。
薄暗い放課後の教室。
向かい合わせた机。
すぐ目の前に結木がいる。
結木の手を握って、まっすぐ目を見つめると、結木が照れくさそうに笑って、僕の手を握り返してくれる。
そのままゆっくり結木を引き寄せて、軽く触れるだけのキスをした。
その感覚があまりにもリアルで。
目が覚めた僕は戸惑った。
こんな夢を見てしまって、歯止めが効くのか。
時計を見ると、5時半。
朝練へ向かうには、そろそろ準備をし始めないといけない時間だった。
…だけど。
どうも練習をする気分にはなれなくて、僕は初めて朝練をサボった。