第18章 Graduation… ♥︎ 〜大将優〜
大将くんは自身に避妊具をつけてから、私の目を見た。
「…できるだけ、ゆっくりする。……息、止めんなよ」
ぐ、と入口に硬いものがあてがわれて、そのまま大将くんの腰が進んでいく。
裂けて熱い入口と、熱い彼のモノが擦れて、痛みが酷く鮮明に伝わる。
『ひっ、ぃ……っ、た…!!』
つぅ、と太ももを何かが伝っていくのが分かった。
きっと、血。
彼を受け入れた真紅の印。
「痛い…?ごめんな…」
大将くんは何も悪くない。
こんなことを、彼女がいるあなたにさせてしまった私の方が悪い。
それなのに、圧迫感と走る痛みで、何も答えることが出来なかった。
少しずつ痛みが薄れて、代わりに快感が押し寄せてくる。
ゆっくり、ゆっくりと波が寄せて、私の肌が粟立つ。
『…ぁ、ん…っ』
「結木…きもちい?」
私の小さな声に、大将くんは優しく笑って、頭を撫でてくれた。
暖かくて大きな手。
もう二度と触れられない。
必死に彼の首に腕を回して、彼を抱き締めた。
『っ、うん…ッ!』
好き。
好きだよ。大好き。
気持ちは声にならずに、涙と一緒にこぼれ落ちる。
ひとりぼっちの、片道の恋。
「…結木…っ」
ぎゅぅ、と抱き締められて、思わず口走った、彼の名前。
『…すぐる、くんっ…!』
「ッ、心…」
絶頂の波にのまれて意識を手放す、少し前…。
彼も私の名前を呼んでくれたような気がした。