第18章 Graduation… ♥︎ 〜大将優〜
卒業まであと25日!
教室にそんな日めくりカレンダーが掲げられ、どんどんと卒業ムードは高まっていく中、私だけが鬱々と窓の外を眺めていた。
結局あの後、大将くんにメールは送らなかったものの、授業が始まるとともに、後ろからペンでつつかれる。
「なぁ、頼むって」
『…うるさいな、授業中』
「減るもんじゃねぇだろ〜…」
不貞腐れる大将くんをよそに、私はため息をつく。
減るもんじゃないよ、確かにね。
私の気持ちがどんどん澱んでいくくらいで。
……私が傷ついてること、あなたは分かってる?
知らないよねー…。
『……オムライス、好きだって言ってたよ』
とうとう根負けして、英愛が幸せそうに語ってた事を伝える。
『いろんなお店回るの、好きなんだって』
「まじか…探そ」
『……隣町にあるお店は、まだ行ってないから行きたいって言ってた』
一言二言…並べていくだけで、彼があまりにも嬉しそうに笑うものだから。
私はギリギリまで…自分のことは避けておこうと思った。