第12章 好きの裏返し ♥︎ 〜木葉秋紀〜
次の日の朝。
私の靴箱に、小さなルーズリーフの切れ端が、丸めて入れられていた。
『何これ、ゴミ…?』
ほんとにそう思えるくらいの小さな紙。
そっと開いてみると、見覚えのある文字で(気にすんな)って、書いてあった。
『……ふふ』
思わず笑がこぼれる。
木葉って、こんな優しいところあったっけ??
「おはよ〜心……って、うわ、何笑ってんの」
『あ、英愛!おはよ♪』
英愛に今あったことを話しながら、教室へ向かう。
英愛はまるで自分のことのように喜んでくれた。
「だいぶいい雰囲気になってきたね、心と木葉」
『…そんなこと、ないけど…。まぁ前よりは…?』
「お、ちょっと素直になったじゃん?」
英愛のからかい口調が照れくさい。
少しだけ俯いて、にやける顔を隠すけど英愛には、効かないみたい。
「にやけてるの、バレバレだからね」
『くそぅ…』