第11章 私流コーディネート ♥︎ 〜瀬見英太〜
私が広場に戻ると、もうそこには瀬見くんがいて。
私を見つけるとすぐ、こっちへ歩み寄ってくれた。
『あの「なぁ、結木」
私が声を発したすぐ、瀬見くんが割って入ってくる。
『…なに?』
「…もし、もしだけどさ。さっきの答えがプラスの答えだったら…このまま黙って付いてきてくんねぇかな」
そういう彼は少し震えていて。
堪らず私は瀬見くんの手を強く握った。
『どこ、行くの』
「…さぁな」
瀬見くんが先を歩く。
向かっている先は、どこだか分からないけど、駅とは逆方向。
少しずつ陽も傾いてきて、肌寒くなってきた。
「…俺、結木のそういう優しいところが好きだ」
『私のこれが優しさだけとか、私はとんだお人好しだね?』