第11章 私流コーディネート ♥︎ 〜瀬見英太〜
『ご、ごめん…!遅くなった!』
結局私が待ち合わせの駅前広場についたのは、約束の時間を15分過ぎてからだった。
「気にすんな、15分なんて誤差だ、誤差」
そう言うと瀬見くんは、私に暖かいココアを渡してくれた。
『ありがと…』
冷たくなった指先に、じんわりと暖かさが広がって、ゆっくりと指先が暖められていく。
「で、どこを回ってもらえるんだ?」
『あっ…こっち』
道案内をしながら、瀬見くんの服装を見る。
チェックのシャツに…これは、なに…?
サツマイモ?サツマイモなの?
まさかのサツマイモセーターを重ね着。
『瀬見くん……さすがに、私も庇い切れないわ』
天童、あんた…いいこと言ったよ、うん…。