第11章 私流コーディネート ♥︎ 〜瀬見英太〜
「えっ…!?何だよ、結木まで…」
私の発言に傷付いてるみたいだけど…瀬見くん。
驚愕のお芋セーターのお陰で、瀬見くんのカッコよかったであろう気遣いが頭から吹っ飛んだよ…?
『…とりあえずさ、スタイルいいんだから、だぽだぽしたもの着ると勿体ないよ』
目の前に見えたショッピングセンター。
私はそそくさとお目当てのお店へ向かった。
ごめん瀬見くん。
その格好の君と歩いてるの、すこぶる恥ずかしい。
とりあえずお店の中へ引きずり込んで、サイズの合うものを片っ端から集めていく。
『パンツ…は、そのままでいいか…』
黒の綿パン。
…まぁ、うん。なんとかなる。
あんまり高いものは買えないし、出来るだけ安いもの…。
「なぁなぁこれは?」
『ん?』
瀬見くんの手に握られていたのは、白のTシャツ。
………稲荷寿司に目が描かれたイラストがプリントされた、Tシャツ。
『却下だわ』