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すうら、すうすう。

第2章 一緒に走ってたっけよ? ~ハイキュー!!白鳥沢


学校というものは、大概音がよく響く。ましてそれが人気のない日暮れ後となれば尚更。

そのシンとして音を弾く宵の校舎をスキップする人影がある。

「わッすれもの、わッすれもォの~」

バレー部の天童だ。何かと目立つ変わり者。

「天童、お前、忘れ物が嬉しいのか?」

前を見て真っ直ぐ歩きながら、天然の排球馬鹿にして帝王牛島が、興味があるのかないのかわからない調子で尋ねる。

「ん~?さぁ?嬉しい?五色くん?」

拘りか失敗か誰も突っ込まずにいるうち、すっかりチームに馴染んでしまった不思議な前髪を揺らして、一年の五色がニッコニコしている天童にムッツリ答える。

「嬉しいとか何とかいうモンじゃないんじゃないスか?」

「あら、つれないね。折角付き合ったげてんのに」

頭の後ろで手を組んでくるぅりと一回り、天童は一人で楽しそうだ。
それを真顔で眺め、牛島がまた淡々と聞く。

「天童、俺はお前に聞いているんだ。忘れ物が嬉しいのか?」

「拘るねえ、若利くん。ソレきいてどォするの?」

「どうもしない」

「じゃ何で聞くの?ホント面白いねえ、若利クンてば」

「面白い?そうか」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・あれ?」

「何だ?」

「んや、続きがあるかと思って待っちゃったヨ」

「何でだ」

「ん?」

「何で続きがあると思うんだ?」

「ん?・・・んー・・・?」

天童は組んでいた手をおろして腕組みした。まじまじと牛島を見て首を傾げる。

「何で・・・」

「止めろ、牛島。気付いてないんだろうが、天童が困ってるぞ」

最後尾を二年の白布と歩いていた大平が、強面に苦笑を浮かべて天然と言ったら天然がビックリするほど天然の主将を止める。

「天童さんを困らせるなんてやっぱ牛島さんて凄いですね。・・・レジェンドってこんな感じスか・・・」

「・・・白布、無理に何か言おうとしなくていんだぞ?真面目なお前が無理に面白おかしい彩りを添えようとしてもな、うまくないぞ?コラ、五色。そんな目で牛島を見るな。言っとくが牛島は特に何も感じないぞ。どんだけガン見してもだ。目が疲れちゃうだけだから止せ」

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