第3章 絵から吹く風ーハリー・ポッター、ルーナ
悪戯ってさ、悪い戯れって書くよね?実はちょっと難しい言葉なンだ。面白いよね。
アタシは悪戯、嫌いじゃないよ。悪い戯れって言われてもピンと来ないし、悪戯が悪いなンて思わないもん。機転が利いてて捻りの入った笑える悪戯なら大歓迎。
但し、それが人を傷つけなきゃだよ。
人を傷つけるのは駄目。全然面白くも何ともないし、人を傷付けて笑うなんて悪趣味だもん。アタシはそんなのはイヤだな。そんな事で笑うくらいなら、笑われた方が百倍マシ。人傷付けて笑ってるヤツ見ると、バッカみたいって思う。
アタシの名前はルーナ・ラブグット。
そうだよ、変わり者のルーナ・ラブグット。皆にそう言われてる。別に気にならないよ。全然平気。何言われたっていいンだ。アタシはね。
でもパパの事言われるとカチンと来る。
パパは雑誌の編集長をしてンだ。ザ・クィブラーって雑誌。皆でたらめばっか載っける雑誌だって言うけど、アタシはそう思わない。
ねえ、でたらめとか本当とか、ソレって簡単に決められる事かなあ?本当に答えなんてあるの?
アタシはさ、わかっちゃった気がする。正解が、じゃないよ?正解がわかんない理由っていうか、わかんなくていい事もあるんだっていうかさ、・・・わかんないよね?こう言われても。
ねえ、ほんのちょっとだけ、アタシの話、聞いてみる気、ない?
長い夏休みに入る前、悪戯ならこの二人ってウィーズリーの双子と、いつも何か考え込んでるようなちょっとイカす(・・・これは内緒だよ?ここだけの話)闇の防衛術のルーピン先生と、アタシの話。
変な組み合わせでしょ?アタシもそう思う。でも嘘だと思うならダンブルドアに聞いてみて。ダンブルドアは全部知ってる。もしかして、当事者のアタシたちより、全部わかってるんじゃないかな。
アタシはアタシの経験した事と感じた事しか話せない。それがアタシの言える全部だもん。それでも良ければ話すよ。どうかな。聞きたい?
いいよ、途中で止めたって。全然構わない。知りたい事、知りたくない事、選ぶのは当たり前の事だモン。でもさ、アタシも、ホント言うと話しちゃいたいんだ。一人で考えてると、何だかだんだんお腹がふくれてくみたいな変な気分になっちゃうんだよ。
だから良ければ聞いて欲しいな。
・・・ホント?ありがと!
じゃ、始めるよ?いい?