第2章 一緒に走ってたっけよ? ~ハイキュー!!白鳥沢
殊更呑気そうに天童がヘラヘラと言った。
四人は青い顔で一歩退いた。
「あー、何かな。確かにスゲェでかい目だったな?ありゃちょっと・・・」
言いかけて校舎を見返った山形が立ち止まる。
「・・・おう、まだこっちみてんじゃん?一緒に帰りてんじゃねえの?何で置いて来ちゃった?女のコ一人可哀想じゃ・・・・お?おい?」
一言もなしに走り出した四人を唖然と見送って、山形と瀬見が顔を見合わせた。
「何なの、一体?」
「あ~、いいのいいの。ちょっとアレ?ってなっただけ~」
天童がのんびり答える。
「さ~、帰ろ。お腹空いちゃったよ、俺」
翌日、五色の机にお菓子は見当たらなかった。
差出人不明のお菓子はそのまま行方不明になり、それきり五色の机に甘い贈り物が現れる事はなかった。
それきり。