第1章 始まり
「ねぇ、名前」
「なに?母さん」
母さんが急に声をかけてきた。滅多に声のかけない母さんではあったが、緊急時かと思って母さんに体を向き直す
私は高校2年生のお年頃の女の子さ。そこら中にいるなんの変哲もない女の子なんだけど運動神経は異常なんだと言われている
何故かは知らないけれど。
「名前、貴方ここに行きなさい」
突然差し出されたのは豪華そうな学園のパンフレット。そこは、私立夢ノ咲学園という学校らしくて如何にもお嬢様というかお金持ちのご子息等が行くような学校だった。
で。そこで聞いてみる
「...なんで、急に?」
「実はお母さんね、海外にいるお父さんのところへ行かなくちゃならなくて...。それで、ほら、学費とか困るじゃない?お金外国から送るのも送料かかっちゃうし...
お父さんのお友達が先生やってるらしいからその学校行かそうと思って!」
「否、だからって学費は...」
「免除してくれるらしいのよ!まぁ、優等生だけだけど...
名前ったら頭悪いけど、きっと大丈夫よ!とりあえずお父さんのお友達がなんとかしてくれると思うわ」
随分と適当な母さんにがくんと肩をおとす。なにそれ、私頭良くないのに無理だってば!
と自分は思う。だが一方母さんはそうは思ってないらしい
「だから、きっと大丈夫だって!安心して?」
安心できるか!!と、心の中で思いながら母さんを睨みつける。適当だなあ、ほんと
受け入れられない現実を受け入れながらもその後出てきたご飯に喰らいついた