第7章 部屋とYシャツと私
「ナル! いいんだよ、そんなことしなくても! おれらがやるからー!」
「お前はゆっくり休めばいいんだよ! な? ずっと嫌な奴のところで働いてたんだ。その分、休めばいいんだよ」
ヒートさんとワイヤーさんはそう言うと、2人とも膝と手を床についた。
「それより、これがバレたらキッドの頭に怒られるかな?」
「怒られるよな……確実に……。あんなに何度もナルに仕事をさせるなって言ってたからな……」
「あ、あの、ごめんな……」
「待て待て待て! 謝るのはもっとダメだ!」
2人を困らせてしまったと感じたわたしは謝ろうとしたが、ヒートさんに止められてしまった。
「ナルが謝る必要なんてないだろう。寧ろ、言うべきことがあるのはおれらの方だ」
ワイヤーさんとヒートさんはわたしに向かって笑った。
「ありがとうな、ナル。洗濯を代わりにやってくれて」
「!」
2人の言葉に目に涙が溜まっていく。わたしの様子を見た2人は先程よりもさらに慌てた。
「待て待て待て! 泣くのはもっとマズいだろ!?」
「何かあったか!? おれらが何か良くないことを言ってしまったか!?」
焦る2人を見て、わたしは首を横に振った。