第7章 部屋とYシャツと私
「ふ〜、終わった」
わたしは洗濯物で山盛りになったカゴを見た。後は、外に干すだけ。なのだが……。
「……これを1人で運ぶのって……無理よね?」
奴隷時代はたとえ洗濯物が多くても、奴隷だった人がみんな力を合わせて運んでいた。なんなら、外で洗っていたのでそのまま干すだけの時が多かった。
(そこまで考えてなかった……)
ーやらかした。
「……どうしよう……」
わたしが悩んでいると、お風呂場の扉が開く音がした。
「あーあ、今日はおれらが洗濯当番だってよ」
「仕方がないだろう。順番なんだから」
2人の男の人が中へと入って来る。後ろを振り返ると、水色のロングドレッドヘアーの男の人とツノ付きのマントを羽織った大きな男の人がいた。
「ヒートさん、ワイヤーさん」
「ナル!」
2人は目を丸くしてわたしを見ている。
「どうしてお前がこんなところに……」
「何してたんだ?」
「えっと、わたしは……」
わたしは自分の後ろに隠れていた洗濯物のカゴを2人に見せた。
「ここで洗濯をしてました」
「洗濯!?」
2人は若干青ざめた顔でわたしの言葉を繰り返す。
ー何かしてしまったのだろうか……。
「あ、あの……」