第4章 普通の生き方とは
「シャッキーさん」
お店が閉まった後、わたしはシャッキーさんに声をかけた。
「何? どうしたの?」
シャッキーさんはタバコを吸いながら、目線だけをこちらに向けた。
「……わたし、ここを離れます……」
「……」
シャッキーさんは黙って、こちらに顔を向けた。
「さっきの話を気にしてるの?」
「……」
「そんな心配しなくても……」
「ここにわたしがいることで」
シャッキーさんの話を遮った。
「ご迷惑を……おかけしてしまいます。レイさんの居場所が海軍にバレるかもしれません。そうなる前に……離れたいんです」
「……」
シャッキーさんは心配そうな顔で見つめている。
「大丈夫です」
わたしは必死に口角を上げた。
「1人で生きるのは慣れてますから」
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