第3章 人の優しさ
「じゃまた! ホント気軽に呼んでくれよ! 若旦那達が無事、魚人島へ出航できる時までおれ達が手足となるからよ!」
トビウオの男の人はそう言うと、顔を引きつらせてウィンクをした。
わたしはしばらく、麦わら帽子を被った少年たちとトビウオの人たちの会話を聞いていた。
ーーこの人たちはどのような関係なのだろう。仲間……ではなさそうだし……とても不思議だ……。
「さァ行くぞ、“人生バラ色ライダーズ”!」
「イエス! ハンバラ!」
トビウオに乗った彼らは空へと飛び立って行った。
ーー何者だったのだろう。何も分からないまま、彼らと別れてしまった。
「急いで中へ!」
おじいさんの声でわたしたちはお店の中へと入った。
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