第3章 人の優しさ
「は、はい!」
「よく言ったわ!」
女の人は歯を見せて笑った。
「フランキー! この子も一緒にお願い!」
「任せろ!」
女の人が後ろに声をかけると、水色の髪の毛をリーゼントにした大きな男の人が来た。随分高い位置にある顔がわたしの方を向いて、歯を見せて笑う。
「いい!? こいつについてくのよ!」
「はい!」
そう言うと、女の人も走って階段の下へと行ってしまった。
「よし! おれについてこい!」
「はい!」
わたしは生きるために、男の人の後に続いて乱戦になっている戦場をがむしゃらに走った。辺りには爆発音や人の叫び声が響いている。
「わはははは! 血が騒ぐなァ!」
「元気なジジイだよ!」
隣で走っている水色のリーゼントの人とおじいさんは話す余裕があるみたいだが、わたしにはその余裕が全くなかった。2人についていくので精一杯だ。後ろから走ってくる足音が聞こえる。振り向くと、金髪の男性がすぐ後ろにいた。
「お嬢さん、お待たせ致しました」
わたしは走って息切れをしていたので、返事を返せなかったが、男の人は構わずに再びわたしを抱き上げた。
「おい! さっさとそのトビウオに乗せろ!」