第2章 3人の船長
「……へ?」
わたしは声を聞いて目を瞬かせた。そして、後ろを振り向くと、目の前に麦わら帽子の少年と一緒に戦っていた金髪の男の人がいた。その人はわたしの顔に自分の顔をグイッと近付ける。ついでに、わたしの両手を自分の両手で包み込んだ。
「こんなに美しい瞳を見たことがない……どうか、僕と……」
「やめなさい!」
グイグイとどんどん近付いて来る男の人の頭に拳骨が降ろされた。わたしは目をパチクリさせる。
「ごめんね。こいつ、本当に女好きだから……」
「い、いえ……」
金髪の人を殴ったオレンジ色の髪の女の人が申し訳なさそうに眉根を下げて謝った。
「……」
ーーとても驚いた。女の人が男の人に手を挙げるなんて……見たことも、考えたことすらなかった。
「おい、行くぞ」
その光景に驚いていると、わたしは奴隷だった男の人に声を掛けられて手を掴まれた。
「あ……」
そのまま、奴隷だった男の人はわたしの手を引いて、みんなと一緒に裏口から逃げようとした。しかし……。
「待って」
金髪の男の人は奴隷だった男の人に掴まれていない方のわたしの手を握った。
「え……」
わたしは思わず後ろを振り返った。