第2章 3人の船長
「ありがとう君たち、私の友人を救ってくれて」
ーー彼は何者なのだろう……彼も海賊だったのだろうか……私はどこで彼を知ったのだろう……。
『あーあー、犯人は速やかにロズワード一家を解放しなさい。直、大将が到着する。早々に降伏することを勧める。どうなっても知らんぞ、ルーキー共!』
私がそんなことを考えていると、オークション会場を包囲している海兵が叫んでいる。
「おれたちは巻き込まれるどころか、完全に共犯者扱いだなァ」
「麦わらのルフィの噂通りのいかれ具合を見れたんだ。文句はねェが……今大将とぶつかるのはごめんだ」
白い帽子を被った細い男の人と後ろでずっと立っていた見るからに海賊のような人は口々にそう言った。
「ああ、私はさっきのような力はもう使わんので、君ら頼むぞ。海軍に正体がバレては住みづらい」
「年寄りの世話になるつもりはねェよ。長引くだけ兵が増える。先に行かせてもらうぜ」
そう言って、長いコートを羽織った男は外へ向かった。
「物のついでだ、お前ら助けてやるよ! 表の掃除はしといてやるから、安心しな!」
男は右手をひらひらさせて、そう言い放った。
「……」