第2章 3人の船長
「会いたかったぞ。モンキー・D・ルフィ」
ーーモンキー・D・ルフィ? 聞いたことがある気がする。確か、世界政府に喧嘩を売ったとか言って天竜人が騒いでたような……。
「……あのじいさん、何者だ?」
「さっき、誰からも話を聞かないでここで起こった状況を理解してたぞ」
「……」
ーー何者なのだろう? わたしたちを助けてくれて、目に見えない力で状況を判断できる不思議な老人。
「まさかこんな大物にここで出逢うとは……“冥王”シルバーズ・レイリー……! 間違いねェ、こんなところに伝説の男が……」
「シルバーズ……レイリー……」
ーーそれがこの人の名前……どこかで聞いたことがあるような……。
「この島じゃコーティング屋のレイさんで通ってる。下手にその名で呼んでくれるな。もはや老兵、平穏に暮らしたいのだよ」
ーーそう言って微笑んだ彼はどうやらスゴい人らしい……わたしでさえ、名前を聞いたことがあるのだからよっぽどなのだろう。どこで聞いたかは覚えていないが……。
「死にはせんな、ハチ。昔からあれほどこの島を歩いてはいかんと言っておるのに」
「にゅうう、すまねェ」
レイリーという人は魚人を介抱しながら、麦わら帽子の少年たちのことを見た。