第3章 〜転校生〜
俺は何度も色んな事件に関わっているからああいう笑みは何度も見てきた筈だ。
しかし人それぞれ特徴があるので一人一人違う。
だけどあの笑みは絶対に見たことがある気がする。
俺はあのヨーロッパ事件がいまだに何処か引っかかり、杉浦との関連性を感じてしまう。
蓮「あの事件の関係者だとしたら復讐か?」
悠『分からない』
蓮「とにかく杉浦には気を付けようぜ」
悠『あぁ』
俺は今頼まれてる事件を後回しにして、過去にヨーロッパで解決した事件について再び調べ直す事にした。
どうしてもあの転校生が気になる。
調べているとやはり気になる情報が出てきた。
悠『蓮』
蓮「これって」
パソコンの画面には組織のボスに隠された愛人疑惑があり更にその愛人との間に子供がいたかも知れないといった情報が記載されている。
悠『あぁ。もしかしたら可能性はある。あの時のボスの子供があの転校生だとしたらつじつまが合う』
蓮「でも外国人とは縁がなさそうな感じだけどな」
悠『確かに』
だけど俺の頭の中では杉浦の笑みにあの組織のボスの面影を感じていた。
もし本当に息子なら似ているのも頷ける。
蓮「まぁ、少しあの転校生の行動を注意して見た方がいいかも知れないな」
悠『あぁ』
蓮「転校生の事は俺に任せろ。悠貴は謎の組織の方を頼む」
蓮が自信満々な笑顔を浮かべた。
悠『分かった』
蓮「それからパソコンをあと一台貸してくれ。ヨーロッパの事件についてもっと詳しく調べたいから」
悠『それ使って』
別に好きなのを適当に使ってくれても構わないが、とりあえずその辺のパソコンを指差した。
蓮「これってお前専用のじゃん。お前専用のパソコンはプログラミングが独特過ぎて色々と厄介なんだけど」
蓮は面倒くさそうな表情を浮かべた。
悠『…………』
蓮「分かったぜ。これ借りるぜ悠貴」
俺が蓮を見ると焦った様にパソコンを取りに行った。
悠『あぁ』
蓮「ハァ…」
蓮はため息を吐きながらパソコンを立ち上げた。
悠『…………』
暫くパソコンを眺めながら情報を集めた。
警察の資料を見ると以前より情報も集まっていた。