第2章 1_突然の出逢い
「‥‥(‥此処、何処ですかね。其れにこの殺気といいこの人達は一体‥?)」
状況を把握しようと鼻唄を口ずさみながらぼんやりと考えて居ると、下の方から声を掛けられる。
「此方番号札になります。至急ご用意しましたので、番号は0です」
声のした方を見てみると、其処には黄緑色の人間?が丸いプレートを差し出して来た。
「‥人間‥?プレート‥?」
また新たな疑問が生まれ黙り込む。
その間に黄緑色の人間は何処かへ行ってしまった。
「やあ、君はルーキーだね!」
すると背後から声を掛けられる。
リトは振り返りその人物をまじまじと見つめる。
「(‥この人は、人間‥)」
「オレはトンパ。解らない事は何でも教えてあげるよ!!」
威張りながら言ってくる男に対してリトは早速情報を求める。
「‥其れでは幾つか質問です。此処は何処ですか?何故あの人達は殺気を出してるんです?このプレートはなんですか?」
リトの言葉に大袈裟に眼を見開くトンパ。
「えっ!君、何も解らないの?!何の為に来たの??」
トンパに質問を質問で返されたリトは溜め息をして仕方無しに答える。
「‥知りません。なので、教えてくれませんか?」
「‥‥‥。先ず此処はハンター試験の会場だ。殺気っつーのは恐らく此処にいる奴は互いに敵だからだね。その番号札は簡単に言えば受験者の証だよ。其れを無くしたりすれば失格になる」
トンパの説明を静かに聞いていたリトは心の中で驚いて居た。
「(‥‥ハンター試験会場が、此処?)」
「‥‥其れで、受験者でも危険な人物が最低でも数人はいる。その内の一人が44番、奇術師ヒソカっていう奴だ。去年合格確実と言われながら気に入らない試験官を半殺しにしたんだ」
「――ぇ。ヒソ、カ‥さん?(あの旅団にいた人‥ですかね?)」
小さく呟いた声はトンパには聞こえず、そのまま続ける。
「奴は去年試験官の他に受験生を再起不能にしている。極力近付かない方が良いぜ。――おっとそうだ。お近づきのしるしに飲みなよ」
トンパは缶ジュースをリトに手渡す。
「‥‥(何れにせよ此処が試験会場なら問題有りませんね)情報提供、有り難うです。失礼しました」
「あ、ちょっと!」
トンパは焦り大声を出すがリトは人混みに消えた。