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【WJ】短編

第11章 【甘】とっておきのお菓子/及川徹・岩泉一


 そして私は中学二年生、徹とはじめちゃんは高校三年生。絶対代表決定戦優勝して、東京に行くから待ってろよと言う徹君にハイハイと適当な返事をして電話を切った。
 そして、お母さんから青城が準決勝で敗退したと知らされた。遠く離れて暮らしていたけど、二人がどれだけ真剣にバレーに打ち込んでいたか知っていた。だから、それを聞いた時は凄く苦しくなった。


『お母さんへ
ちょっと徹の所に遊びに行ってきます。』


 どうせ、徹とはじめちゃんの事だ。辛気臭い顔して、思い耽ってるに決まってる。私が元気づけてあげないと。なんて意気込んで、貯金していたお年玉を崩し、徹とはじめちゃんが元気になる為の道具をキャリーバッグに詰め込み、書き置きを残しそのまま宮城へ旅立った。初めての一人旅。少し胸がドキドキした。

 宮城に到着し、バスに乗り徹の家へ向かった。家に着くと徹は留守でオバチャンしかいなかった。一人で来たと言うとオバチャンは驚いていた。どうやら徹は代表決定戦の決勝を見に行ったらしい。徹が家にいないなら都合がいい。私は徹の部屋で持ってきた荷物を広げ、早速準備に取り掛かった。


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