第37章 【切(R18)】今日も貴方を探す/赤司征十郎
私が四度目の絶頂を迎えた所で指は引き抜かれた。指だけでは足りず、引くついて征十郎様のモノを求める自分の体が憎い。姿形は同じでも、目の前にいるその人は、私が想いを寄せた人物ではないのに。
「奥にもたっぷりとクリームを注いであげよう。」
避妊具も付けぬまま一気に奥まで貫かれ、それだけで私は本日五回目の絶頂を迎えた。
「遥香は本当に可愛いな。僕のモノが欲しくて、離したくないと締め付けてくる。」
違う…違うのに。私が欲しいのは貴方じゃない。
「僕の名前を呼んで可愛く鳴いてくれよ。」
「ぼ、っ、ちゃ…ん。」
「違うだろう?僕の名前はなんだ?」
「せ、いじゅ、う、ろう、さ、ま…っ。」
目の前にいる征十郎様の姿をした別人に愛しい人の名前を呼ばなければならない苦痛。違うのに、彼は私の愛する征十郎様じゃないのに。でも、征十郎様に従わなければ酷い仕打ちを受ける事は目に見えている。以前、征十郎様の名前を呼ばなかった。ただそれだけで、私は体の自由を奪われ、体中に玩具を取り付けられ、何時間も放置された。やめてと懇願しても悪いのは私だと言われ、反省するまでやめないと言われ、辱めを受けた。それを幾度となく繰り返されれば、心まで折れてしまいそうだから。だから仕方無く愛しい彼の名前を呼ぶ。
私の愛した征十郎様は何処へ行ってしまったのだろうか。今日もいなくなってしまった征十郎様を、目の前の征十郎様から探そうと試みるが、今日も征十郎様の中に征十郎様は見当たらなかった。
征十郎様の精液をたっぷりと注がれた。もう何度オーガニズムに達したか分からない位、激しく何度も何度も抱かれた。薄れ行く意識の中、
「…僕だって遥香の事を愛してるのに、どうして君は僕を受け入れてくれないんだろうか。」
そう、征十郎様が言ったような気がした。優しく私の頭を撫でてくれるその手が、私の大好きな征十郎様と重なった気がした。
…ℯꫛᎴ
2016/12/20 Happy Birthday