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【WJ】短編

第4章 【切甘】気付け、バカ/澤村大地


「…澤村君。」
「何?」


 顔をあげた澤村君の胸元を掴み、自分の方へ寄せ、澤村君に強引にキスをした。


「私、澤村君の思ってるようないい子じゃないよ。幻滅した?」


 澤村君は突然の出来事に驚いてか、眼をぱちくりとさせている。そして、顔が赤くなって、戸惑った様子で、手を口にあて、考え込む。


「…ごめんね。」
「いや!その、あ、なんだ!うん!」


 突然のことに澤村君は顔を真っ赤にしてしどろもどろ。


「逢崎さんは、俺のこと、好き、あ、いや、違う!
俺、逢崎さんの事が好きだ!」
「…キスされたから?」
「いや、違う!一年の頃からずっと好きだったから、突然こんな事になってビックリして、ごめん、なんか嬉しくって、あーくそ!卒業式の日に告白しようと思ってたのに!」
「…嘘、」
「ずっと、好きだった。嘘じゃない。」


 結ちゃんと仲がいいから、てっきり澤村君は結ちゃんの事が好きで、いつか二人は付き合うだろうって、思ってたのに。
 だから、それなら、嫌われてもいいから、一回だけでいいからと思ってキスしたのに、


「ねえ、今度は俺からしてもいい?」


 私は黙って頷いた。




               …ℯꫛᎴ

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