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【WJ】短編

第32章 【甘】独り占め願望/国見英


「よくさ、胃袋を掴むとか言うじゃん?」
「言うね。」
「正にそれだと思った。自分で作ろうって思ったのに嘘はないけど、やっぱり俺お菓子とか作るの柄じゃないし、無理。…だからさ、これから逢崎が俺の彼女になって、毎日俺にお菓子作ってよ。」


 そう言って笑みを浮かべる国見君。全く予想打にしていなかったその申し出に私の思考回路はショート寸前。


「えっと、お菓子だったら、ちゃんと今まで通り作るから!わざわざ、その、彼女、とか。」
「いや、俺もう逢崎以外無理。逢崎のお菓子だけじゃなくて逢崎も独り占めしたくなったから。」


 ここが学校だったならば走って逃げ出しただろうけど、生憎ここは私の家で逃げ場は何処にもない。人生初めての告白が、人気者の国見君からなんて。しかも、今飲んでいる塩キャラメルホットチョコレートよりもうんと甘い台詞で告白された。国見君の事はカッコいいと思うし、国見君を知って意外と可愛い人なのかもしれないとか思ったりしたけど、私の中に国見君に対する恋愛感情があるかとうかと聞かれれば、それはまだない…と思う。


「付き合ったら俺の事絶対好きになると思うよ?」
「…えっと、その、こんな私で良ければ…。」


 そこまで国見君に言われ、NOと返事をする勇気がなく、YESと答えてしまった私の言葉を聞いて笑みを浮かべる国見君。その笑顔を見て、好きになってしまいそうだと思ってしまった私はチョロいのかもしれない。


               …ℯꫛᎴ


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