第1章 バレンタイン
「はあ~……、それじゃあ、私はこれで」
彩菜はその場を一刻も、後にしたかった
「(銀時のバカ……)」
本当は、バレンタインを知っていた彩菜
この日の為、一生懸命頑張った手作りを作っていた
しかし、そんな気持ちを知らない銀時
甘味なら何でも嬉しい銀時に、義理で貰ったと思われるだろう
それが彩菜にとって、何より辛かった
「(てか、本命にこんな事する私も、どうよ)」
彩菜は苦笑いした
そんな時、
ギュッ―――……
「!!。………銀時?」
銀時に後ろから、抱きしめられていた
「ありがとうな、彩菜」
「あ、ううん、別に」
銀時の表情を確認しようとするも、表情が見づらく、逆に抱きしめられていた腕の力が、強くなった
「なあ、彩菜。1つ聴いて良いか?」
「な、何?」
「これ、本命?」
ドキドキ――――………
鼓動が、いつもより速かった
私だけじゃない、銀時も