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SHELTER【気象系BL小説】

第2章 Club lunar maria




朝の眩しい光が、カーテンから差し込んでる。
雅紀の温かい腕にくるまれながら、安心しきってた。
近くにある寝顔を見つめる。
さらさらの髪に指を通すと、梳くように撫でる。

昨日…雅紀は俺にキスをした。
激しいキスの後、俺の怪我した手を取ると包帯の上からキスをして、そのまま俺を抱きしめて寝てしまった。

優しさ…なのかな…

男同士でどうやるのかは知らないけど、俺はそうなってもいいと思ってた。

俺だってもう、30歳超えてるんだから…
雅紀の言う”どうなっちゃうかわからない”の内容だってわかるのに。

「え…」

俺、30歳超えてるの…?
何歳?何歳だっけ…

「あっ…くっ…」

急に激しい頭痛に襲われた。

「あっ…ああっ…ああああっ…」

たくさんの映像が頭に流れ込んでくる。
冷たい皮膚。
冷たい体温。
低い声。
俺に命令する声。
纏わりつく…

「あああああっ…」

ベッドを飛び出した。
頭をかきむしりながら、口を押さえた。
雅紀に聞こえないよう、床にうずくまって必死で映像の渦が過ぎていくのを待った。

「…ニノちゃん…?」

見ないで…
今の俺を見ないで…

「ニノちゃん!?どうしたの!?」

雅紀の手が俺の両肩を包んだ瞬間、俺は意識を喪った。




【Club lunar maria END】
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