第16章 The beginning of the story6
「しょ…こ…」
朝方、潤の腕の中で眠っていると寝言が聞こえた。
少し顔を上げて潤を見るけど、眠ってる。
「だぁれ…?」
そっと潤の広い胸板に手を滑らす。
俺と違って真っ白な肌。
「ん…」
くすぐったいのか身じろぎした潤の唇にそっとキスを落とす。
「…智…?」
寝ぼけたまま俺を抱き寄せ、ぎゅっと抱きしめてくれる。
潤と翔の衝撃的なキスシーンを見た日から、二週間が経った。
なのに、潤は俺と毎晩寝てる。
なにしてんだろ。
翔のこと、好きなくせにさ。
「どした…?智…」
「んーん…なんでもない…」
”しょうこ”ってだぁれ…?
本当は聞いてしまいたい。
でも、潤が言わないから…聞けない。
「まだ、欲しいの…?」
「もう最近、毎晩じゃん…足りてるよ」
「そう…?残念…」
「え…?潤、まだ?」
「おう…最近、なんかおかしいんだよな…」
それって…本当は翔を抱きたいのに俺を抱いているからじゃ…
字が読めない俺でもわかることなのに。
潤も翔も素直じゃないから、認めないんだよね。
中学生かっつーの。
むくっと起き上がった潤の中心が俺の腿に擦りつけられる。
「ケツの穴壊れる…」
「だよな…」