第13章 SHELTER-zero-
ここ、どこ…?
歩き疲れた足が痛い。
ヘリコプターは、俺一人を残して飛び立っていった。
渡された迷彩柄のリュックには、地図と方位磁石。
それとパウチされた食べ物。
水筒には水。
たったこれだけ…
後はどうとでもしろってことだな…
ヘリコプターを降りたところは、少しだけ拓けていたけど。
後はジャングルみたいに森が広がってる。
宛なんてない。
どこに人が住んでるかもわからない。
ここは…C地区。
俺は森のなかを一人彷徨った。
地図の見方なんてわからない。
だから方位磁石なんかあったって役に立たない。
痛む足を引きずりながら、今夜の寝床にできそうなところを探した。
もう日が暮れてきた。
だんだんと暗くなっていく視界。
リュックの中には、小さなライトがあった。
灯りはそれだけ。
足が限界を迎えて、俺は倒木に腰掛けた。
それきり、動けなくなった。
涙が落ちてくる。
俺が何をしたと言うんだ。
犯罪を犯したわけじゃない。
ただ、今の世の中に異を唱えただけだ。
間違ってる…
今の日本は間違ってる。
このままだと破滅の道を自ら歩んでしまう。
だから俺は…