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SHELTER【気象系BL小説】

第11章 The beginning of the story2


本社に呼び出された。

多分話は、ラボの規模縮小の話だろう。
そんな噂は随分前から回ってきていた。

だが俺にはどうすることもできなかった。

俺のやっている研究が、多分一番予算を圧迫しているんだろう。
だから、きっと…

本社ビルの大会議室。
扉の前には重役たちの秘書たちが忙しく駆け回っている。

「あ、あの…」

見たことのある秘書を見つけて声をかける。

「あ、長野博士…」

そいつは気の毒そうな顔をした。

「井ノ原さんあの…」
「もう皆様お揃いです。すぐ入られますか?」
「いやあの…僕の出席するような話なんでしょうか」
「…ええ…」

その表情が曇るのを見て、絶望に襲われた。

「ホムンクルスに関する研究を打ち切るそうです」

こっそり小さな声で教えてくれた。

「やはりそうでしたか…」
「前回の役員会で、大体そのような方針になりまして…これからはクローンの方に力を入れていくそうです」
「ばかな…クローンなんて生殖能力がないじゃないか…二世代目は何らかの障害が出て長く生きられない」
「それを可能にする研究のほうが、ホムンクルスよりも結果がでやすいんじゃないかという結論です」
「馬鹿馬鹿しい…」

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