第10章 The beginning of the story1
結局、4人で智の部屋のベッドで寝た。
午前中はまだちょっとだけ寒かったけど、俺達はくっつき合って眠ったから大丈夫。
お昼頃になっても俺は目が覚めなかった。
遠くでしてる声はよく聴こえるんだけど、身体が起きなかった。
「もう…潤も翔もよく眠るね…」
「成長期終わったはずなんだけどな…」
雅紀と智の呆れた声が聞こえてくる。
だってしょうがねえだろ…
俺は寝起きが悪いんだ…
「じゃあ俺達で昼飯作ろうか…」
「だね。野菜獲ってくるよ」
「うん、智よろしくね」
「あ、雅紀」
「うん?」
ちゅっとキスの音が聞こえた。
「今日は俺、潤と寝るから…翔と一緒に寝てね?」
「わかった」
またちゅっと音がして、二人は部屋を出ていった。
俺達は…愛し合ってる…
俺を拾ってくれたとき、二人がこんな関係だとは思わなかった。
けど、この環境じゃそれは自然なことだった。
そのうち俺も自然と二人を愛して…
翔が初めて俺達の前に現れて、そしてこういう関係になるまで時間はかからなかった。
翔は…愛を求めていたから…
ゲイでもなんでもないけど…
俺達はこれでよかったと、そう思ってる。
翔の規則正しい寝息を聞きながら、俺もまた眠りに引きずり込まれていく。
ごそごそっと翔が動いた。
「ごふっ…」
翔の膝が、俺の腹に入った。
翔…今晩おしおきしてやる…
【 The beginning of the story END】