第9章 HEAVEN
「ああ…風が…気持ちいいな…」
翔が呟くように言いながら、眠りに落ちていった。
そっとニノは起き上がって、隣に眠る翔の顔を覗き込む。
「翔、疲れてたんだね…」
「うん…」
「明日はゆっくり寝かせてあげようね」
「そうだね…明日は皆でゆっくりしよう」
「うん…」
さらさらと翔の黒髪を向こう側から智が撫でた。
「凄いね。これから毎日翔はここに居るんだね」
「…やっと、一緒に暮らせるね…」
「嬉しいね…」
智の向こうに居る潤が、智を後ろからぎゅうっと抱きしめた。
「わっ…びっくりしたあ…」
「智…」
「ん?」
「明日もうまい飯、作ってくれよ?」
「うんっ…」
智は嬉しそうに笑うと、ぎゅっと潤に抱きついた。
「さ、ニノ…寝よう?」
ニノの肩を引き寄せると、ニノは翔の手を握った。
「今日は…こうやって寝てもいい?」
「いいんじゃない?」
「ぐごおっ」
「うわ…翔っていびきうるさいんだ…」
「あんまりうるさかったらタオルでも詰めておけばいいよ」
「わかった」
くすっと笑うと、ニノは俺の頬にちゅっとキスをした。
「おやすみ…雅紀…」
「ん。おやすみ。ニノ…」
ぎゅっとニノの手を握ると、微笑んだ。
「家族って…いいね。雅紀」