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SHELTER【気象系BL小説】

第9章 HEAVEN


「…できるよ…僕達なら…」

ニノがグラスについた雫を指で撫でながら言った。

「ここまでやってこれたんだもん…あと一歩だよ」

にっこり笑いながら言うと、俺達を見渡した。

「あと5年…それでケリをつけよう」

ふっと潤が笑った。

「それまで、長生きしてくださいよ。ホムンクルス殿」
「もちろん」

智が隣に座るニノの肩を抱き寄せた。

「うまいもんいっぱい食わせてやるからな…」
「うん」
「農薬とか使ってない野菜、いっぱい作るから…」
「うん」
「たくさん食べて、俺よりでかくなれ」
「…智、もう無理だよ…僕、20歳だよ?」
「大丈夫。願えば叶う」
「ふふっ…智が言うと、本当にそうなる気がする」
「ばか。そうするんだよ」
「…うん…」

翔が立ちあがってグラスを空にした。

「じゃあ、そろそろ俺は寝るよ」
「ああ…翔、部屋の荷物もう片付けた?」

何気なく聞いたら、翔は黙り込んだ。

「…手伝おうか?」
「いや、大丈夫一人で…」
「無理だ…翔に片付けなんて…」
「じゅ、潤っ…」
「皆で行こうか」
「雅紀までっ…」
「ほんと翔って卒がないけど片付けだけはねえ…」
「ニノっ」
「ほっとくと、足の踏み場なくなるからな…」
「さーとーしーっ」

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