第8章 ユメノドリーム
その夜は、ニノと一緒に眠った。
「雅紀、疲れた?」
「うん?まあね…ニノは?」
「疲れた…」
「じゃあ、今日はゆっくりと眠ろうね?」
「うん…」
ぎゅっと俺の胸に顔を埋めると、ニノはふふっと笑った。
「どうしたの?」
「僕…こんな日が来るとは思ってなかった…」
「え?」
「人のぬくもりを感じて眠る日が…くるなんて…」
「ニノ…」
「とっても、しあわせだな…ありがとう、雅紀…」
「礼なんて…」
「僕…明日がどうなるかわからないけど…頑張るね…」
そういうとがばっと俺に覆いかぶさってきた。
「生きるから…僕…」
「うん…一緒に、生きていこうね…?」
あんまり…
あんまりその瞳が綺麗で…
なんだか涙が出そうになった。
今、ここにある生命(いのち)…
その灯火が、とても力強くて綺麗で…
美しいものを見ると、感動する。
心がなにかに突き動かされる。
ニノの細い体をぎゅっと抱きしめた。
「ニノ…好きだよ…」
「雅紀…」
ふふっと嬉しそうに笑うと、ニノも俺の身体に腕を回した。
「僕も…だーいすきだよ…」
その声はとても温かかった。
【ユメノドリーム END】