第6章 YOU
いつも…そこまでは順調に行くのに…
その先、いろいろ介入してきて”狩り”を壊滅させることができないでいる。
日本国ひっくるめて、この”高等な遊び”を保護しているかのようだ。
「下衆が…」
一晩かけて、その”狩り”をどうにか収束させた。
今回は5名の所帯だった。
全員捕まえたのを見届けて、また俺は侵入口まで誘導した。
ぐったりして担がれているオヤジどもの顔は、どれも見たことのある顔だった。
やっぱり議員なんて…阿呆だ。
今回は…何人殺したんだ…
明け方、侵入口にたどり着くとチームとは別れた。
あいつらの無事を確認しないことには戻れない。
それに、殺されたやつらの調査もしなければならない。
何日かここに留まることになるだろうと、リーダーに言付けて置いた。
これで、自分のチームには伝わるだろう。
全員をB地区から出して、侵入路を塞いだ。
だいぶ明るくなったB地区を一人で進む。
潤のバンダナは腕に巻いてある。
無事で…
どうか無傷で…
祈るような気持ちで歩いた。
廃校の屋根が見えた時、もう歩いていられなかった。
夢中で走りだした。
寝てないことなんて気にならないくらい、アドレナリンが出ていた。
早く…
早く会いたい…
そして抱きしめたい。
おまえたちを…
俺の、家族を。
【YOU END】