【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第6章 過去の真実、青い棘
え…
兄さん…
「何言ってるの兄さん?僕だよ、トド松だよ?」
「は!?お前なんて知らねぇよ!お前の兄貴になった覚えなんてねぇし!」
赤い眼。
血走ったその怒気は本当に兄さんなんだろうか。
気温が冷たい。
鳥肌が身体を覆い、もしかして人違いだったのかも知れないと左脳が悟った。
ただしどこからどうみても兄さんで、肌、声、態度が間違いなく僕は思いきって兄さんの袖を掴んだ。
「兄さん僕のこと忘れたの!?僕だよ、トド松だよ!」
お願いだよ兄さん…
そしたら僕…何のために…
ただし兄さんは裏切った。
僕の期待を裏切った。
兄さんは、掴んだ袖を引き離し、僕を蹴った。兄さんの力は考えられないほど強くて、僕は地面に倒れた。お腹が痛い、痣ができるかも。