【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第5章 愛の溢れた、黒い太陽
『シコ松ぅ~』
兄がふざけた口調を抜かす。
そこに僕は半ば呆れたような顔で振り向いた。
『そのあだ名やめて兄さん。恥ずかしいんだから。』
『ハイハイ、チョロ松でしょ?』
そんなことより、と兄さんは続けた。
『十四松とトド松がすげぇ美味いもん食べてんの!つまみ食いしに行こ!』
『リンゴとか?』
『それと酒!』
兄さんは昔からお酒が好きだった。聖水に清められた酒は、酩酊感に襲われ身体がふわふわするらしい。僕には理解など出来ないんだが。
『ハイハイ、行けばいいんでしょ?』
『さっすがチョロ松!わかってるぅ♪』