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【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》

第3章 黒を纏った、汚れなき心


「カラ松神父って…可哀想だよね。」

一松が白い唇を開いた。
小さく幼い頃から一松を見てきたが、神父が可哀想と聞いたのは初めてだった。
あんなクソみたいな人間のどこが可哀想なんだか。一松の方がずっと可哀想なのに。

「…なんで。」

「いつもいつもいつも、クソみたいな僕を助けてくれて。僕がクズなせいで神父まで偏見な目で見られる。」

クズは君じゃない。クズな神父だ。
……クズは誰だ?

クズは、この二人の闇を造り出した俺ではないのか?
いいや、悪魔は人を不幸にして当然だ。偶然、悪魔のターゲットが二人だっただけ。

なのに…なんでかな。
二人を不幸にしたらダメな気がする。
ひどく懐かしい匂いが、ダメだといっている気がして。

やめろやめろやめろぉッ!!

「ぉ…おそ松?」

一松がおろおろした様子で声をかけてきた。

「あぁ…ゴメン」
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