【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第3章 黒を纏った、汚れなき心
腕を掻きむしっていたようだ。俺の爪は鋭いから、皮膚が裂けている。
「大丈夫…?」
「大丈夫大丈夫。」
自業自得だ。
何やってんだろ俺。
一松を心配させて。
…クズだな。
「それより、一松も大丈夫なの?」
「は?僕は別にけがなんかしてないし…」
「心がキズだらけだよ?」
爪も噛んでないし手首を切っている訳もない。
信者が自殺なんて、神への反逆罪だもんね。
きっと、一松は我慢しているんだ。
弱くて、強い、俺の一松。
もう、誰にも渡したくない。