【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第3章 黒を纏った、汚れなき心
その夜。
夜まで窮屈なのはさすがに嫌なため、今日も一松の夢へ遊びに行く。
俺が創った暗い遊び場にはやっぱり一松がいた。あいつの元へ駆け寄る。
「いっちまつぅ♪」
もう既に呼び捨てで呼んでいる仲だ。
「おそ松…?」
振り返った一松は泣き腫らしてした。目の周りが真っ赤で鼻をすする音がする。
一松は俺に抱きついた。まるで、大人に叩かれた子供のように。
俺はその背中をぽんぽんと撫でる。
大丈夫だよ、一松は1人じゃないよとでも言うかのように。
それが伝わったのか、しばらくすると一松は呼吸を整えて話してくれた。
「もう、こんな世界嫌だ…みんなに嫌われて、全てに嫌われて、どうやって生きてけばいいのッ…?」