【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第3章 黒を纏った、汚れなき心
「死…神…?」
漢字を分けて書くと、“死んだ神”だ。
人の魂無しでは生きられない邪悪な存在。
そんな最悪の象徴である死神にならないかと、傲慢の悪魔が問う。
「僕がそんな奴らの仲間になるなんて、考えられない。」
喉の奥が張り裂けそうだった。だって、あの傲慢の悪魔に反抗するんだ。何故あの悪魔に反抗したかと言うと、単純だ。僕は悪魔が大嫌いだから。十四松兄さんがここにずっといたとなると可哀想だな。
悪魔が手を伸ばす。
きっと、その鋭い爪で目を刺されて、海馬を喰われるんだ。
きゅっと目を瞑り、肉塊と化した僕を人食い蟲が食い散らかすところまで想像が進むと、悪魔の手がぽんと頭を撫でた。