【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第2章 魑魅魍魎とした、契約の真実
そしてある日、望まなかったあの日がとうとう訪れた。
トド松が、悪魔と契約を交わしてしまった。
偶然、トド松を見かけた時には、既に遅かった。
恐怖の対象である悪魔なんか、あの時は何故か怖くなかった。
ひたすら、トド松に止めてと口論する。
ただ……
「大事な人を救えるんだ。魂なんかどうだっていい。」
綺麗な瞳だ。
まるで、あの人のような─────
そこで、僕は気づいた。
あぁ、止めても無駄だ。
トド松は、きっと何日も悩んで下した決断なんだ。
「…サヨナラ、トド松」
諦めがついてしまった。あんなに必死に、逝ってほしくなかったのに。
「十四松兄さんを、宜しくね。」
あぁ…お前は、十四松と同じことを言っているよ。
全く、似た者同士なのだから。
──────サヨナラ、トド松。