【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第2章 魑魅魍魎とした、契約の真実
悪魔を見つけて、一瞬、あの人かと思い、遠目から覗く。
あの人とは、全くの別人だった。
ただ、大柄な容姿から上級悪魔と読み取れる。
──下手に助けに行って、殺されたらどうしよう。
僕は、見つからないようにその場にしゃがみこんだ。
…怖いっ………
不安で不安で仕方ない。
誰か助けて!
トド松は悪魔と何か話しているようだが、遠くにいるため上手く聞き取れない。そして、話が終わったらしく、悪魔は帰っていった。
その瞬間、すぐさまトド松に駆け寄る。
「トド松!?お前、悪魔に何かされなかった!?」
「あ…チョロ松兄さん…」
トド松が乾いた声笑った。
なんだか久しぶりに笑顔をみたような気がする。
尤も、窶れた顔なのだが。
「大丈夫…なの…?トド松」
「うん、あのね、さっきの悪魔が僕に良いこと教えてくれたんだ。」
嫌な予感がした。
いや、予感と言うより悪魔が囁く“良いこと”だ。危ないことに決まっている。
「……十四松兄さんを、取り返せる方法なんだ。」