【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第1章 出来損ないの、シスターさん
睡魔が僕を襲う。
毛布、ふかふかで暖かいな……
石鹸と、太陽と、神父の優しい匂いがする……
鼻を擦らせ、寝返りをうつ。
今日も一日疲れたな、と。
神様にお祈りして、孤児の子供のお世話をして、畑のお仕事をして、教会のステンドグラスを拭いて……
どれも地味な仕事だが、全てが合わさると鳥のように忙しい。
働き過ぎて、体が麻痺していたせいか、こうしてベッドに横たわる度、どっと疲れが押し寄せる。
他のシスターは生き生きしていて、楽しそう。
まだ、休憩室で紅茶を飲みながら話しているのが部屋から聞こえる。
黄色い声と、ハーブティーの香りがするんだもん。
あぁ……月明かりが綺麗だなぁ………
紅茶と、神父と、月明かりが優しく全身を誘惑していき、
泥のように眠った。
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